事前準備:HTMLの基礎,コンテンツの公開

以下では事前準備として,HTMLの基礎,コンテンツの公開の流れを把握しながら,Webアプリケーションを学ぶための前提となる知識を整理します.

準備:Webページの構造を記述するためのHTML

Webページは「HTML(HyperText Markup Language)という文法に沿って記述されています.一般的な文章中に含まれる見出しや段落は,HTMLでは「要素」と呼んでいます.要素には「開始タグ」と「終了タグ」をつけて意味を持たせています.各要素は以下のようなスタイルで記述します.


<タグ名>要素の内容</タグ名>



例えば,「自己紹介」という文が,見出しであるとします.見出しはレベルに応じて「h1」から「h6」の6段階の要素で表すことができます.この文は以下のようにタグをつけて表せます.

<h1>自己紹介</h1>



また,要素の種類によっては,その動作を決めるための情報が必要になるものもあります.たとえば,他のページへのリンクは,「a」という要素で表されますが,リンク先のページのアドレスを指定することが必要です.このような,要素の動作を決める情報は,「属性」というものを使って指定します.属性は「属性名="値"」のような形で表し,開始タグの中に記述します.例えば,Waseda net portalへのリンクは,以下のように表します.「href="https://www.wnp.waseda.jp/portal/portal.php"」の部分が属性にあたります.


<h1><a href="https://www.wnp.waseda.jp/portal/portal.php"></a>



HTMLファイルの構造

一般的なHTMLファイルは次のような構造になっています.


<!DOCTYPE・・・>
<html・・・>
<head>

</head>
<body>

</body>
</html>



1行目の!DOCYPE・・・の部分は「DOCTYPE宣言」と呼ばれるものです.HTMLにはいくつかのバージョンがあり,バージョンによってタグの解釈の仕方が異なることがあります.そこで,「このHTMLは**というバージョンで書かれている」ということを,ファイルの先頭で宣言します.
よく利用されているのは,「HTML4.01」「XHTML1.0」「XHTML1.1」の各バージョンです.HTML4.01とXHTML1.0には,「Transitional」「Frameset」「Strict」の3つの種類があります.Transitionalは,過去のHTMLとの互換性を重視したモードです.また,FramesetはTransitionalに加えてフレームを使えるモードですが,フレームは最近利用が推奨されなくなっています.Strictは,厳密な文法に沿ったモードです.以下に,よく利用するものを列挙します.

HTMLのバージョン DOCTYPE宣言
HTML 4.01 Transitional <!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/loose.dtd">
XHTML 1.0 Transitional <!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">


HTMLファイル全体は,「html」という1つの要素になります.DOCTYPE宣言の後に,開始タグの<html>を入れ,HTMLファイルの最後に</html>を入れます.また,html要素には属性も指定します.一般的には以下のような属性を指定します.

HTMLのバージョン 属性
HTML 4.01 lang="ja"
XHTML 1.0 xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xml:lang="ja" lang="ja"
XHTML 1.1 xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xml:lang="ja"


<html>タグの直後には,<head>と</head>のタグで囲まれた部分を入れます.これをヘッダ部分と呼び,ページ本体を表示するために必要な情報を入れます.以下のような要素を入れることが一般的です.

要素 内容
title Webページのタイトル
link 関連するファイルの情報
meta 各種の情報


ヘッダ部分の後には<body>と</body>のタグで囲まれた部分を入れます.これをボディ部分と呼びます.

以下のような要素を入れることが一般的です.

要素 内容
h1~h6 見出し
p 段落
br 改行
a リンク
img 画像
table
form フォーム


ここまでの説明に基づいて,簡単なHTMLを以下に紹介します.

HTMLファイルのサンプルコード

<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/loose.dtd"> <html lang="ja"> <head> <meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_JIS"> <title>北海道の紹介</title> </head> <body> <h1>北海道について</h1> <p> 日本の最北端にある地方公共団体である.おいしいカニやとうきび,じゃがいもを食べることができる. 札幌ではジンギスカン料理が食べられるビール園がある.北海道大学は札幌にあり,とても広く, キャンパスの中に牛や馬がいる.<br> ニセコは美しいスキー場である.ヒラフ,東山,アンヌプリの3つのスキー場は山頂でつながっていて, 相互に滑り降りることができる.キタキツネもいる. </p> <br> <p> <h3>ニセコスキー場</h3> ニセコスキー場についての情報は以下にある.<br> <a href="http://www.niseko.ne.jp/">ニセコ・ユナイテッド</a> </p> </body> </html>

FFFTPによるHTMLファイルのWWWサーバへのアップロード

上記のHTMLファイルは,WWWサーバに転送(アップロード)することにより初めて公開されます.そのためにFTPクライアントソフトを利用します.

上記のHTMLファイルを~.htmlというファイル名で保存し,このファイルをFFFTPを利用してアップロードします.FFFTPの設定やアップロードの方法は,別資料で確認してください.

演習課題